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AI画像のテイストをそろえる方法|複数枚で統一感を出す

AIで画像を作っていると、1枚だけなら気に入った仕上がりになることは珍しくありません。むずかしいのは、そこから2枚目、3枚目と枚数を重ねたときです。ブログのアイキャッチをシリーズで用意する、SNS投稿を毎週出す、資料の挿絵を何ページ分も入れる——こうした場面では、1枚ごとの完成度よりも、並べて見たときに「同じ人が作った一続きのもの」に見えるかどうかのほうが効いてきます。

この記事では、AI画像生成でテイスト(画風や雰囲気)を複数枚にわたって揃えるための考え方と、実際にコピペして使える手順を紹介します。ツール選び自体で迷っている場合は、AI画像生成ガイドで全体像を先に確認しておくと、このあとの内容も理解しやすくなります。

複数枚がそろわない本当の理由

「1枚目はうまくいったのに、同じような指示で作った2枚目が全然違う雰囲気になった」という話は、AI画像生成を使っているとよく出てきます。原因は指示が下手だからではなく、AI画像生成という仕組みそのものに、毎回そのつど答えを組み立て直すという性質があるためです。同じ言葉を入力しても、画風や色味、光の当たり方は生成のたびに揺れます。1枚だけ作るときはこの揺れがむしろ「意外な当たり」につながることもありますが、複数枚を並べて使う場面では、この揺れがそのまま「そろわなさ」として表に出てしまいます。

ここで大事なのは、揺れをなくそうとして何度もガチャのように生成し直し、たまたま近い雰囲気のものが出るのを待つやり方は、枚数が増えるほど破綻しやすいということです。3枚なら偶然そろうこともありますが、10枚、20枚と増えていくと、運任せでは必ずどこかで浮いた1枚が混じります。そろえたいなら、揺れる余地を先に減らしておく、つまり「見た目を決める言葉」をあらかじめ固定してしまうという発想への切り替えが必要です。

「見た目の型」を言葉に分解する

見た目の印象は、実はいくつかの要素の足し算でできています。ふだんは「なんとなく雰囲気が違う」とひとまとめに感じてしまいますが、そろえるためには、この「なんとなく」を分解して、要素ごとに言葉を1つずつ決めておく必要があります。目安になる分け方は次の5つです。

コツは、この5つそれぞれについて「自分の言葉」を1つだけ決めて固定することです。たとえば「画風はフラットなベクターイラスト、色味はくすみパステル、光は柔らかい拡散光、構図は中央に寄りで余白多め、背景は単色」のように、あらかじめ5つの答えを決めてしまいます。この5つが決まっていれば、あとは描く対象を入れ替えるだけで、何枚作っても骨格は揺れなくなります。逆に、この5つを毎回なんとなく書き直していると、同じ人が書いた指示でも出てくる画像は毎回違う方向にぶれます。

そのままコピペできるプロンプトの型

言葉で分解した5つの要素は、そのまま「固定部分」としてプロンプトに書き込めます。以下は、固定しておく部分と、毎回入れ替える部分を分けて書いた型です。描く対象の欄だけを差し替えれば、そのまま使えます。

[画風] フラットなベクターイラスト風
[色味] くすみのあるパステルトーンで統一
[光] 柔らかい拡散光、強い影は出さない
[構図] 被写体を中央に寄りで配置し、余白を広めにとる
[背景] 単色、または同系色の淡いグラデーション

上記の条件をすべて守ったうえで、次のものを描いてください:
[ここに毎回入れ替える対象を書く]

このように上5行を固定文として使い回し、最後の1行だけを「レシートを読み取るビジネスパーソン」「カレンダーに予定を書き込む手」のように差し替えていくと、シリーズ全体の骨格がそろいやすくなります。Midjourneyのように英語の短いキーワードを並べる書き方に慣れている場合は、この5要素を「flat vector illustration, dusty pastel tone, soft diffused light, centered close composition with wide margins, plain or subtle gradient background」のようにキーワード化し、末尾に描く対象を英語で足す形に置き換えても同じ考え方が使えます。要素を言葉にして固定する、という骨格自体はツールが変わっても共通です。英語のキーワードに置き換えるのが面倒なときは、決めた5要素の日本語をそのまま対話型のAIに渡して、画像生成用の英語キーワードの並びにしてもらうと手早く済みます。その結果もメモに残しておけば、次の生成からはコピペするだけで使い回せます。プロンプトの書き方そのものをもっと掘り下げたい場合は、Midjourneyプロンプトのコツ10選もあわせて参考にしてください。

基準の1枚を先に決めてから量産する

型ができたら、すぐに何枚も生成したくなりますが、そこはいったん我慢したいところです。おすすめの進め方は、まず「基準の1枚」を決めることを最初のゴールにし、それが決まるまでは量産に入らないという順番です。

具体的には、決めた5要素の言葉で1枚だけ生成し、気に入らなければ言葉を少しずつ調整しながら、納得できる1枚が出るまで繰り返します。ここで納得できた時点の言葉(画風・色味・光・構図・背景の書き方)をそのままメモに残し、これを以降のすべての生成で使い回す「基準の言葉」にします。基準が決まる前に量産を始めてしまうと、あとから「やっぱり色味をもう少し落ち着かせたい」と気づいたときに、すでに作った分をすべて作り直す羽目になります。基準を先に固定してから量産したほうが、結果的に手戻りが少なく済みます。

なお、基準の候補を何パターンか試したい段階では、ブラウザだけで手軽に生成できるツールを使って、まずラフな候補をいくつか出してみるのも一つの方法です。細部を作り込む前に「この5要素の組み合わせで合っているか」をざっくり確認する用途であれば、身構えずに試せるツールのほうが向いています。

そろえやすい要素・そろいにくい要素

型を固定しても、すべての要素が同じくらいの精度でそろうわけではありません。あらかじめ「そろいやすいもの」と「そろいにくいもの」を分けて理解しておくと、期待値の調整がしやすくなります。

区分具体例傾向
そろえやすい全体の色味、画風のカテゴリ、背景の雰囲気言葉を固定すれば比較的安定して再現されやすい
そろいにくい人物の顔や特定のキャラクターの一貫性、文字、細かい小物の形同じ言葉を使っても生成のたびに変わりやすい

そろえやすい要素は、この記事で紹介した5つの型がそのまま効きやすい部分です。一方でそろいにくい要素は、言葉だけで完全にコントロールしようとすると苦労しがちです。たとえば「同じ人物が毎回同じ顔で登場するシリーズ」を作りたい場合、言葉の型だけでは限界があります。ツールによっては、前に作った画像を参考として渡したり、生成の条件を固定したりする仕組みが用意されていることがありますが、機能の有無や名称、使い方は使っているツールによって異なります。そろいにくい要素を扱いたいときは、使っているツールの公式サイトで、そうした仕組みがあるかどうかを確認してみてください。文字や細かい小物の形についても同様で、言葉の型で大枠の雰囲気はそろえられても、細部の完全な一致までは狙いにくいと考えておくと、仕上がりに対する期待値がぶれません。

並べて見比べてから使う

型を使って複数枚生成できたら、1枚ずつ順番に良し悪しを判断するのではなく、必ず全部を並べて見比べる工程を挟んでください。1枚ずつ見ていると、その1枚単体の完成度に目が行きがちで、シリーズ全体としてそろっているかどうかの判断が甘くなります。画像編集ソフトのグリッド表示や、フォルダのサムネイル一覧など、複数枚を一画面に並べられる方法で全体を見渡し、色味や画風が浮いている1枚がないかを確認します。

並べて見たときに、次のような点をチェックしてから実際に使うようにすると、公開してから「1枚だけ浮いていた」と気づく事態を防ぎやすくなります。

浮いている1枚が見つかった場合は、シリーズ全体を作り直すのではなく、その1枚だけを基準の言葉に戻して再生成するほうが効率的です。基準の言葉をメモとして残しておく習慣は、この見直しの場面でも役に立ちます。

まとめ

AI画像を複数枚でそろえたいときに効くのは、運任せに生成を繰り返すことではなく、画風・色味・光・構図・背景という見た目の要素を言葉の型として先に固定してしまうことです。基準の1枚を決めてから量産に入り、そろえやすい要素とそろいにくい要素を分けて期待値を調整し、最後は1枚ずつではなく並べて見比べてから使う——この順番を踏むだけで、シリーズとしての統一感は大きく安定します。まずは自分がよく使う場面(アイキャッチ、SNS投稿、資料の挿絵など)を思い浮かべながら、5つの要素それぞれに自分の言葉を1つ当てはめてみてください。

参考リンク