AIってなに?小学生にもわかる図で説明します
「AI」という言葉を、テレビやおうちの人の話で聞いたことがあるでしょうか。なんだかすごいものらしい、でも何なのかはよくわからない。そう思っている人は多いと思います。
このページでは、AIがどんなものなのかを、図を使ってできるだけやさしく説明します。むずかしい言葉はなるべく使いません。
AIは「たくさん見て、まねがうまくなった機械」
AIは、英語の「Artificial Intelligence」をみじかくした言葉です。日本語では「人工知能」といいます。かんたんにいうと、人間の考えるまねをするコンピュータの技術のことです。
では、どうやってまねをするのでしょうか。ポイントは「たくさん見る」ことです。
ネコの写真をたくさん見せると、AIは「ネコってこういう形をしているんだな」というとくちょうをつかみます。すると、いままで一度も見たことのない写真でも「これはネコだ」と答えられるようになります。
これを「学習」といいます。人が一つずつルールを教えるのではなく、たくさんのれいを見せて、AIが自分でとくちょうを見つけるのです。
たとえば、漢字ドリルや九九のれんしゅうを思い出してみてください。何回も同じような問題をとくうちに、「このパターンならこう答える」というコツがつかめてきますよね。AIも同じように、ネコの写真だけでなく、イヌや車や花など、いろいろなものの写真を何百万枚も見せられて、少しずつ「これはこういう形」というとくちょうをおぼえていきます。学校の授業でたとえるなら、先生が一つ一つ「これはネコです」「これはイヌです」と教えるのではなく、たくさんの写真を見せて「自分で見分け方を見つけてね」と言っているようなものです。
「えらぶAI」と「つくるAI」
AIには、大きく分けて二つのタイプがあります。
前からあったのは、左の「えらぶAI」です。写真がネコかイヌかを見分ける、メールがめいわくメールかどうかを判定する。用意された答えの中から正しいものをえらぶ仕事をします。
いま話題になっているのは、右の「つくるAI」です。「生成AI」とも呼ばれます。おねがいをすると、これまでなかった文章や絵を新しくつくってくれます。ChatGPTやClaudeがこのタイプです。
身のまわりでも、この二つのAIはよく使われています。スマートフォンの顔認証は「えらぶAI」の仲間で、カメラにうつった顔が持ち主のものかどうかを判定しています。動画サイトの「おすすめ」も、たくさんの動画の中からあなたが好きそうなものをえらんでいるので、こちらも「えらぶAI」です。いっぽう、作文の書き出しを考えてくれたり、自由研究の表紙イラストをかいてくれたりするのは「つくるAI」の仕事です。同じ「AI」ということばでも、やっていることはまったくちがうと覚えておくと、ニュースに出てくるAIの話もわかりやすくなります。
つくるAIは「つぎのことばを当てるゲーム」をしている
つくるAIが文章を書くしくみは、じつはとてもシンプルです。つぎに来そうなことばを当てているだけなのです。
「むかし むかし ある ところ に」と来たら、つぎは何が来そうでしょうか。「おじいさん」なら自然です。「冷蔵庫」だと変ですね。
AIはものすごくたくさんの文章を読んでいるので、「このならびのつぎは、これが来ることが多い」というのを知っています。そうやってことばを一つずつえらんでつないでいくと、文章になるのです。
友だちと交代で物語をつづける遊びをしたことはありますか。「むかしむかし、あるところに」と言われたら、つぎに来そうなことばを頭の中でさがしますよね。「おじいさんとおばあさんが」ということばが自然に出てくるのは、みなさんがこれまでたくさんの昔話を聞いてきたからです。AIがしていることも、じつはこれと似ています。ちがうのは、AIが読んだ文章の量が、人が一生かかっても読みきれないくらい多いということです。だからこそ、たいていの場合は自然な文章をつくれますが、たまに「ありそうだけど、じつはまちがっている」ことばをえらんでしまうこともあります。
AIはまちがえることがある
ここがとても大事なところです。AIは、書いてあることの意味をわかっているわけではありません。
さっきのとおり、AIは「ありそうなことばのならび」をえらんでいます。だから、まちがっていても、ありそうに聞こえる文をつくってしまうことがあります。しかも、自信たっぷりに答えてくるので、正しいように見えてしまいます。
たとえば、自由研究で「イルカについてくわしく書かれている本を教えて」とAIにたずねたとき、じっさいには存在しない本の名前とページ数をすらすら答えてしまうことがあります。名前も番号も本物っぽいので、そのまま信じて図書館に探しに行くと、どこにもない、ということが起こります。理科の実験の手順を聞いたときも、もっともらしいのに一部の手順がぬけていたり、じゅんばんがちがっていたりすることがあります。うそをつこうとしているのではなく、しくみのうえでそうなってしまうのです。くわしい理由はAIが事実でないことを言う理由でも説明しています。
見た目が自信たっぷりでも、AIの答えはそのまま信じないで、たしかめることがひつようです。まず「本当かな」と立ち止まって考えるくせをつけましょう。
AIを使うときの3つのやくそく
AIはとても便利ですが、使い方にはコツがあります。次の3つをおぼえておきましょう。
- 答えをたしかめる — 大事なことは、本や公式のホームページでも調べてみましょう。AIの答えが正しいとはかぎりません
- 自分や人のひみつを書かない — 名前、住んでいるところ、学校名、電話番号などは入力しないようにしましょう。くわしくはAIと個人情報の話を読んでみてください
- 宿題は自分で考える — 答えをうつすと、自分の力になりません。わからないところを説明してもらう、という使い方のほうが力がつきます
たとえば、夏休みの自由研究でAIに手伝ってもらうなら、「テーマを考えるヒントをもらう」「調べた内容が正しいか図鑑でたしかめる」という使い方はよい使い方です。反対に、「答えをそのまま作文用紙に写す」のは、自分の力にならないのでおすすめできません。おうちの人と「どこまでAIに聞いていいか」を話しあっておくと、迷ったときに安心です。
3つめは、とくに大事です。AIは、あなたのかわりに考えてくれる道具ではありません。あなたが考えるのを手伝ってくれる道具です。
まとめ
このページで説明したことをまとめます。
- AIは、たくさんのれいを見て、とくちょうを自分で見つけておぼえる技術
- 「えらぶAI」と、文や絵を新しくつくる「つくるAI(生成AI)」がある
- つくるAIは、つぎに来そうなことばを予想して文章をつくっている
- 意味をわかっているわけではないので、まちがった答えをつくることがある
- 使うときは、たしかめる・ひみつを書かない・自分で考える
AIは、道具です。ハサミやえんぴつと同じように、使い方をおぼえるとできることが増えます。まずは、しくみを知ることからはじめてみてください。
もう少しくわしく知りたくなったら、中高生向けのAI入門も読んでみてください。
学年によって知りたいことはちがいます。保護者の人や、もっと上の学年の人向けの話も知りたくなったら、学生・教育現場のAI活用ガイドにまとまっています。