第4章 これからのために

進路を考えるとき、何を身につけるか

第9回 / 全10回 約6分

「AIがどんどん賢くなっているけど、将来どんな力を身につければいいんだろう。」進路を考えはじめると、こういう疑問が出てきます。今回はここを扱います。

先に言っておくと、この回は「AIに仕事を奪われるから、こうしなさい」という話ではありません。 未来がどうなるかを断定することはできませんし、脅かして行動を変えさせるのは、この講座がやりたいことではないからです。その代わり、今の時点で分かっていることから、身につけて損はない力を考えます。

AIが得意なことは、この講座でずっと見てきた

ここまでの回で、AIの性質を繰り返し見てきました。おさらいすると、

つまり、AIが得意な部分が広がるほど、逆に「人にしか担えない部分」がはっきりしてくるとも言えます。

AIが得意な範囲と人が担う部分 AIが得意な範囲(広がっている) 人が担う部分 目的を決める・確かめる・自分の考えとして説明する この講座で扱ってきた「人がやること」と重なる
AIが得意な範囲が広がると、人が担う部分の輪郭がはっきりする

身につけて損はない力

この講座の内容を振り返ると、次のような力が浮かび上がります。

1. 疑問を持つ力

「なんとなく合ってそう」で止まらず、「本当にそうか」と一度立ち止まる力です。2回目・5回目で扱った、間違いに気づくための土台になります。

2. 確かめる力

教科書と照らし合わせる、公式サイトを見る、先生に聞く。答えを鵜呑みにせず、確認する手を持っていることそのものが、これからも価値を持ち続けると考えられます。

3. 自分の考えを言葉にする力

7回目で扱ったとおり、「感じたこと」「考えたこと」を自分の言葉で説明する力は、AIに任せられない部分です。作文や発表の練習は、遠回りに見えて、この力を鍛えています。

4. 何を任せて、何を任せないかを判断する力

この講座全体を通して身につけてきた力です。道具の得意・不得意を知って使い分けるという姿勢は、AIに限らず、新しい道具が出てくるたびに役立ちます。

「AIが使えること」だけを目指さなくていい

進路を考えるとき、「AIを使いこなせる人になろう」という言い方をよく聞きます。それも間違いではありませんが、操作を覚えること自体は、実はそれほど難しくありません。 AIの使い方は、これからも変わり続けます。

変わらずに役立つのは、この講座で扱ってきたような「道具との向き合い方」のほうです。何が得意で、何が苦手で、どこを確認すべきか。この考え方の型は、道具が変わっても使えます。

まとめ

次回は、この講座の内容をもとに、自分の使い方のルールを作ります。

確認問題

  1. Q1この回が伝えたい姿勢として、正しいものはどれですか。

  2. Q2この講座を通して繰り返し「人が担う部分」として扱われてきたものはどれですか。

  3. Q3「AIが得意な範囲が広がる」ことについて、この回の考え方として適切なのはどれですか。

確認問題に全問正解すると完了にできます