指示の基本の型をつくる
第1章で「AIは次に来そうな言葉を選んでいる」と確認しました。ここから、指示の書き方が効く理由が導けます。
なぜ指示を変えると答えが変わるのか
よくある誤解から外しておきます。
❌ 具体的に書くと、AIが本気を出す
⭕ 具体的に書くと、次の語を選ぶ手がかりが増える
AIの能力は変わりません。変わるのは選択肢の絞られ方です。「メールを書いて」だけでは、世の中のあらゆるメールが候補になります。だから最大公約数的な、当たり障りのない文章が出てきます。
曖昧な指示に無難な答えが返るのは、AIの手抜きではなく、当然の帰結です。
4つの型
埋める要素は4つです。これだけ覚えれば十分で、細かいテクニックはすべてこの応用です。
| 要素 | 何を書くか | 抜けたときに起きること |
|---|---|---|
| 目的 | 何のために使うのか | 見当違いの方向に書かれる |
| 相手 | 誰が読むのか | 難易度と丁寧さがずれる |
| 条件 | 守ってほしいこと | 触れてほしくない話が混ざる |
| 形式 | どんな形で出すか | 長さや構成が毎回変わる |
「相手」が効く理由を補足しておきます。読む人が変わると、使ってよい専門用語も、説明の丁寧さも変わります。「中学生に説明するつもりで」と一言足すだけで文章が変わるのは、この項目が強く効いているからです。
悪い指示と良い指示
| 場面 | 悪い指示 | 良い指示 |
|---|---|---|
| 要約 | これ要約して | 会議に出ていない上司が判断できるよう、決定事項と保留事項を分けて要約して |
| メール | メール書いて | 取引先へ納期変更のお詫び。代替案を必ず添え、件名と本文に分けて250字程度で |
| 言い換え | わかりやすくして | 専門知識のない人向けに。専門用語を使うときは短い説明を添えて |
| 相談 | どうすればいい? | 現状はこう。制約はこう。取れる選択肢を3つ、それぞれの欠点つきで |
共通しているのは、良い指示のほうが「AIが推測しなければならない部分」を減らしているという点です。
実際に組み立ててみる
読むだけでは身につかないので、この場で作れるようにしました。4つの欄を埋めると、そのまま貼り付けられる指示文になります。
まず「例を入れる」を押して、どう変わるかを見てください。
全部埋める必要はありません。埋めた項目だけが反映されます。
覚えておくと楽になること
一度で完成させようとしない
良い指示を書いても、一発で理想の答えが出ることは稀です。返ってきたものに対して「もっと短く」「その部分を詳しく」と足していくほうが速い。 最初から完璧な指示を考える時間のほうがもったいないです。
うまくいった指示は保存する
同じ種類の仕事は繰り返し発生します。うまくいった指示文をメモしておき、次回は中身だけ差し替える。これだけで毎回考える手間がなくなります。
次回は、この型が効かない場面と、そこでの対処を扱います。
確認問題
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Q1具体的な指示を書くと回答の質が上がる理由として、正しいものはどれですか。
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Q2指示に「相手(誰が読むか)」を書くと、特に何が変わりますか。
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Q3良い指示を書いたのに、返ってきた答えが理想と少し違いました。最も効率的な対応はどれですか。
確認問題に全問正解すると完了にできます