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AI資料作成ツールの選び方|作り方のタイプで決める

AIで資料やスライドを作りたいと思って調べ始めると、似たようなツールがたくさん出てきます。どれも「AIが自動で資料を作ります」「デザインも整います」と説明していて、読み比べているうちに、結局どれがいいのか分からなくなってしまった経験はないでしょうか。

この記事では、ツール名や機能の一覧で比べるのをいったんやめて、先に「自分がどこから作り始めたいか」を決める方法をご紹介します。作り方のタイプが決まれば、候補は自然に絞られます。特定のツールを勧める記事ではなく、選ぶ順番を整える記事です。料金や機能の細かい点は変わることがあるため、ここでは扱いません。

ツール名から比べ始めると決まらない理由

資料作成AIを探すとき、つい「ツール名」か「機能一覧」から比べ始めがちです。ところが、この比べ方はなかなか結論に着きません。理由は主に三つあります。

一つ目は、機能がどれも似て見えることです。文章を入れるとスライドができる、テンプレートを選べる、あとから手で直せる、といった説明は、多くのツールに共通して書かれています。名前が違うだけで同じことができるように見えるので、差が分からないまま時間だけが過ぎていきます。

二つ目は、試すたびに迷うことです。気になるツールを順番に試してみても、そのとき作ろうとした資料の内容によって出来栄えの印象が変わります。たまたま相性のよい題材だったツールが良く見え、別の題材では逆の印象になる、ということが起きます。比べる条件がそろっていないので、試した回数だけ迷いが増えます。

三つ目は、そもそも比べる軸がずれていることです。資料作りで困っている場所は人によって違います。「何を書けばいいか分からない」人と、「内容は決まっているのに見た目を整えるのに時間がかかる」人では、必要な手助けがまったく違います。同じ「資料作成AI」という言葉でひとまとめにしても、助けてくれる場所が違えば、比べても意味がありません。

そこで、比べる前に「作り方のタイプ」を決めます。タイプは、作業をどこから始めるかで分けると分かりやすくなります。次の節で、三つのタイプを整理します。

作り方の三つのタイプを整理する

資料作成AIは、作業の出発点によって大きく三つに分けられます。個々のツールの機能ではなく、「こういう作り方をするツール」という一般的な性質で見ていきます。

文章から作るタイプは、伝えたい内容を文章で渡すと、構成とスライドの形まで作ってくれる作り方をするツールです。たとえばイルシルは、このタイプのツールです。白紙の状態から考える負担が小さく、まず形になったものを見てから直せるのが特徴です。一方で、渡した文章の質が出来上がりに反映されやすく、自分の言いたいこととずれた構成が出てきたときは、直す作業が必要になります。詳しい使い方は、別の記事「イルシルでAIスライド資料を作る方法」にまとめています。

テンプレートから組むタイプは、用意されたデザインを選び、自分で中身を入れていく作り方をするツールです。MiriCanvasやCanvaがこの例にあたります。見た目の完成形を先に選べるので、仕上がりのイメージを持ちやすいのが特徴です。ただし、中身そのものは自分で用意する必要があるため、何を載せるか決まっていない段階では手が止まりやすくなります。

対話型AIで骨組みだけ作るタイプは、ChatGPTなどの対話型AIに、構成と各ページの要点だけを作ってもらい、見た目は手持ちのツールで仕上げる作り方です。資料作成専用のツールではありませんが、骨組みを作る段階だけに限れば、十分に役立ちます。見た目の自由度は手持ちのツール次第なので、社内で決まった形式がある場合にも使えます。

三つのタイプを、観点をそろえて比べると次のようになります。

観点文章から作るタイプテンプレートから組むタイプ対話型AIで骨組みだけ作るタイプ
どこから始めるか伝えたい内容の文章気に入ったデザインの選択構成と各ページの要点づくり
向いている状況中身がまだ固まっておらず、まず叩き台がほしいとき中身は決まっていて、見た目を整えたいとき社内の決まった形式があり、そこへ流し込みたいとき
向いていない状況一字一句まで自分の言い回しにこだわりたいとき何を載せるかがまだ決まっていないとき見た目まで一つのツールで完結させたいとき
自分でやる部分出てきた構成が意図と合っているかの確認と修正文章や数字を考えて入れる作業骨組みの確認と、見た目への流し込み

表の「向いていない状況」は、そのタイプが劣るという意味ではなく、手間が増えやすい場面という意味です。同じ人でも、資料によって向くタイプは変わります。各ツールの機能や料金は、必ず公式サイトでご確認ください。

状況別の選び方

タイプを選ぶ手がかりは、いまの自分の状況です。ここでは、三つの場面に分けて考えます。

中身がまだ固まっていないとき

たとえば、上司から「来週の定例で、今期の取り組みを報告しておいて」と頼まれたものの、何から書けばいいか整理できていない場面です。あるいは、社内の勉強会で発表することになったけれど、話したいことが頭の中に散らばっている場面もこれにあたります。

この状態でテンプレートを開くと、きれいな枠を前にして手が止まってしまいます。中身が決まっていないときは、「文章から作るタイプ」か「対話型AI」が向いています。箇条書きのメモや、話したいことの断片を渡して、構成の叩き台を作ってもらいます。出てきた構成を見ながら「この順番は違う」「この話は入れたくない」と直していくと、頭の中が整理されていきます。

どちらを選ぶかは、仕上がりまで任せたいか、骨組みだけで足りるかで決めます。形になったスライドまで見たいなら文章から作るタイプ、まず構成だけ固めたいなら対話型AIです。

中身はあるが見た目に時間がかかるとき

営業の提案資料を例にします。提案する内容や数字は手元の資料にそろっていて、あとはスライドとして見やすく整えるだけ、という場面です。ここで時間を取られるのは、文字の大きさ、配置、色合いといった見た目の調整です。

この場合は、「テンプレートから組むタイプ」が向いています。デザインの土台がすでに用意されているので、選んで、中身を入れ替えるだけで形になります。MiriCanvasやCanvaのようなツールがこの作り方に当たります。AIの機能が付いているものもありますが、細かい対応は変わることがあるため、公式サイトで確認してください。

テンプレートを使うときの注意は、見た目に引っ張られて中身を削らないことです。枠に収まるように文章を短くしすぎると、伝えたいことが抜け落ちることがあります。デザインの流れについては、「AIでプレゼン資料を作る方法|テンプレート活用と進め方」も参考になります。

社内テンプレートが決まっているとき

三つ目は、会社や部署で資料の形式が決まっている場面です。たとえば、月次の報告資料は決まったひな形に沿って出すルールになっている、というケースです。この場合、外部のツールでデザインを整えても、結局ひな形に貼り直す手間が出てしまいます。

そこで、「対話型AIで骨組みだけ作り、社内テンプレートに流し込む」方法が向いています。AIには見出しと各ページの要点だけを作らせ、見た目は普段使っている社内のひな形で整えます。AIが作るのは文章の骨組みだけなので、形式を崩す心配がありません。次の節で、そのまま使える指示文をご紹介します。

対話型AIで骨組みを作る指示文の実物

対話型AIに「スライドを作って」とだけ頼むと、装飾的な言い回しの長い文章が返ってきて、かえって使いにくくなります。骨組みだけがほしいときは、出力の形を指定します。次の指示文は、ページごとに「見出し」「言いたいこと一文」「載せる要素」を出させる形です。かぎ括弧の部分は、自分の資料に合わせて書き換えてください。

あなたは資料の構成を考えるアシスタントです。
次の条件で、スライド資料の骨組みを作ってください。

【資料の目的】「今期の取り組みを上司に報告する」
【聞き手】「上司と同じ部署のメンバー」
【ページ数の目安】「ここにページ数の目安を書きます」
【材料】
「ここに、話したい内容のメモや箇条書きを貼ります」

出力は、ページごとに次の三つだけを書いてください。
【見出し】そのページのタイトル
【言いたいこと】そのページで伝えたいことを一文で
【載せる要素】表、グラフ、箇条書き、写真など、載せるものの種類

条件:
- 装飾的な言い回しや、飾りの文章は書かないでください。
- 材料に書かれていない数字や固有名詞は作らないでください。
- 材料だけでは足りない部分は、「要確認」と書いてください。
- 最後に、流れ全体で足りない話がないかを短く指摘してください。

この指示文のポイントは、条件の二つ目と三つ目です。材料にないことをAIが勝手に補うことを防ぎ、足りないところを「要確認」として表に出させています。出てきた骨組みを見て、並べ替えたり、不要なページを削ったりしてから、社内テンプレートに流し込みます。

うまくいかなかったときは、指示文ではなく材料を見直してください。出力が薄いときは、材料のメモが少なすぎることが原因の場合があります。ページ数を変えたいときは「ページ数をもっと減らして」のように追加で頼めば、同じ会話の中で直せます。

どのタイプでも最後に自分で確認すること

どのタイプを選んでも、最後に人の目で確認する作業は残ります。AIが作った資料は、見た目が整っているぶん、間違いがあっても気づきにくくなります。提出や発表の前に、次の点を一つずつ見直してください。

特に、数字と固有名詞は間違いが目立ちやすく、信頼にも関わります。AIの出力は「下書き」と考え、最終的な責任は自分にあるという前提で扱うのが安全です。

選ぶ前のチェック項目

最後に、ツールを選び始める前に、自分に問いかけてほしい項目をまとめます。上から順に答えていくと、選ぶタイプが見えてきます。

「中身が決まっていない」が当てはまるなら文章から作るタイプか対話型AI、「見た目に困っている」ならテンプレートタイプ、「社内ひな形がある」なら対話型AIで骨組みを作る方法、という流れで考えてみてください。

まとめ

資料作成AIは、ツール名や機能一覧から比べ始めると決まりにくくなります。先に決めるのは、自分がどこから作り始めたいかです。文章から作るタイプ、テンプレートから組むタイプ、対話型AIで骨組みだけ作るタイプのうち、自分の状況に合うものを選べば、候補は自然に絞られます。

中身が固まっていないなら叩き台を作るタイプ、中身があって見た目に困っているならテンプレートタイプ、社内ひな形があるなら骨組みだけをAIに任せる方法が向いています。どのタイプでも、数字、固有名詞、AIが足した内容、社外秘の扱いは、最後に自分で確認してください。ツールの機能や料金は変わることがあるため、使う前に各公式サイトで最新の情報を確かめることをおすすめします。

参考リンク