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AIでプレゼン資料を作る方法|テンプレート活用と進め方

プレゼン資料を作っていて、時間を取られるのはどこでしょうか。話す内容そのものより、体裁を整える工程だと感じることがあります。文字の大きさをそろえる、図の位置を調整する、色を統一する。中身が決まっていても、見た目を整えるだけで半日が消えることがあります。

この工程は、AIを使ったデザインツールで短くできる部分です。ただし、体裁を整えるより前に「誰に何を伝えるか」が決まっていないと、どんなツールを使っても資料はぼやけます。この記事では、社内発表や勉強会の資料を作る会社員・学生の方に向けて、AIでプレゼン資料を作るとはどういうことか、発表の骨組みをどう作るか、どこまで任せてどこを自分で決めるかを、実務の順番に沿って整理します。

AIでプレゼン資料を作るとはどういうことか

「AIが資料を作る」と聞くと、丸ごと全部やってくれる印象を持つかもしれませんが、実際に効いているのは主に次の3つです。

1. たたき台の生成
伝えたいことを文章で入力すると、スライドの構成案や下書きが出てきます。白紙から始める必要がなくなり、「直す作業」に持ち込めます。

2. テンプレートの適用
配色、文字の大きさ、余白といったデザインの決まりごとが、あらかじめ用意されています。デザインの知識がなくても、破綻しない見た目になります。

3. 体裁の自動調整
文字量が変わったときの配置調整など、手作業だと地味に時間がかかる部分をまとめて処理してくれます。

つまりAIが引き受けているのは、判断がいらない反復作業です。何を伝えるかという中身は、依然として人が決めます。

手作業で作る場合と比べると、違いは次のようになります。

手作業で作るAIツールを使う
作りはじめ白紙から構成を考える下書きを直すところから始まる
デザイン自分で配色や余白を決めるテンプレートに沿う
得意なこと独自性の高い表現決まった形の資料を数多く
苦手なこと時間がかかる型から外れた表現

比べて見えてくるのは、AIツールは「量」に強く、手作業は「特別な1枚」に強いということです。毎週の定例報告や、似た形の提案書を何本も作る場面ではAIツールが効きます。一方、勝負をかける1本のプレゼンなら、時間をかけて自分で作る価値があります。

似た性格のツールとして、スライド作成に特化したイルシルでAIスライド資料を作る方法や、資料全般を扱うCanva AIで初心者がプロ級デザインを作る具体的手順|Magic Studio徹底解説も記事にしています。ツールそのものを選ぶ段階であれば、AI資料作成ツールの選び方|作り方のタイプで決めるが判断の助けになります。

発表の骨組みを先に作る|依頼文の実物

ツールを開く前に決めておきたいのは、発表の骨組みです。骨組みとは、聞き手は誰か、持ち時間はどれだけか、聞き終えた人にどうなってほしいかの3点から導く、話の順番のことです。この骨組みをAIと一緒に作ると、白紙の状態から抜け出しやすくなります。

たとえば、社内の定例会で新しい社内ツールの試用結果を報告する場面を考えます。聞き手は課長と同じチームの先輩で、持ち時間は短く、質疑の時間も必要です。このとき、次のような依頼文を渡します。かぎ括弧の中は、自分の状況に書き換えて使ってください。

社内発表の資料の骨組みを作ってください。スライドの中身はまだ書かなくて構いません。

【聞き手】「部署の課長と、同じチームの先輩3人。ツールの専門知識はない」
【持ち時間】「発表8分、質疑2分」
【発表の目的】「試用結果を共有し、来月から正式に使うかどうかの判断材料にしてもらう」
【聞き終えたあとに取ってほしい行動】「正式導入の可否を、次の定例会までに決めてもらう」
【手元の材料】「試用した期間、試した業務の一覧、うまくいった点と困った点のメモ」

次の形式で出してください。
1. 発表全体を一言で言うとどうなるか(1文)
2. スライドの順番(1枚ごとに「そのスライドで言いたいこと」を1文で)
3. 持ち時間に対して枚数が多すぎないか、あなたの見立て
4. 聞き手が最初に抱きそうな疑問を3つ

材料にない事実や数字は作らず、足りない情報は「要確認」と書いてください。

この依頼文のポイントは3つあります。1つ目は、聞き手と持ち時間を最初に書くことです。同じ内容でも、専門家に向けた十分な時間の発表と、非専門家に向けた短い報告では、省くところも厚くするところも変わります。2つ目は、スライドの中身ではなく「言いたいこと」を1文ずつ出させることです。骨組みの段階で本文まで出させると、直す量が増えます。3つ目は、材料にない事実を作らせないと明記し、足りないところは「要確認」と書かせることです。これでAIが数字をそれらしく埋める事態を減らせます。指示文の組み立て方全般はAIへの指示文(プロンプト)の書き方基本ガイドにもまとめています。

出てきた骨組みは、そのまま採用せず、次の順で見直します。

  1. 「発表全体を一言で言うと」の1文が、自分の言いたいことと合っているか
  2. 持ち時間に対して枚数が多すぎないか。多ければ、削るスライドを自分で選ぶ
  3. 聞き手の疑問に、発表の中で答えているスライドがあるか

学生の発表でも同じです。聞き手を「同じ研究室のメンバー」「他分野の参加者」のように具体的に書きます。うまくいかなかったときは、出てきた構成を直そうとせず、聞き手の書き方を具体的にして出し直すほうが早く済みます。

1枚に1つのメッセージ、話す原稿は別に作る

骨組みができたら、スライドを作る段階に入ります。ここで守りたいのは、1枚のスライドには1つのメッセージだけという考え方です。「このスライドで言いたいこと」を1文で言えないなら、そのスライドは2枚に分けるか、削る候補です。

骨組みの段階で出した「そのスライドで言いたいこと」の1文は、そのままスライドのタイトルの候補になります。「試用結果」のような名詞だけの見出しより、「入力作業の手間は減ったが、確認作業は残る」のように、結論が読める文にしておくと、聞き手は画面を見ただけで要点をつかめます。

スライドに載せる文字は、聞き手が話を聞きながら読める量に絞り、細かい説明は原稿の側へ回します。

つまり、資料と話す原稿は別物として扱います。資料は聞き手が見るもの、原稿は自分が話すためのものです。1つの文書に両方を詰め込むと、スライドは文字だらけになり、発表者は画面の文章を読み上げるだけになります。

AIには、スライドの内容を渡して、次のように原稿を作らせると使えます。

次のスライドの内容をもとに、口頭で話す原稿のたたき台を作ってください。

【聞き手】「課長と先輩。専門用語は避けたい」
【このスライドで言いたいこと】「入力作業の手間は減ったが、確認作業は残る」
【スライドに載せている内容】「(スライドの箇条書きをここに貼る)」
【話す長さの目安】「持ち時間を枚数で割った長さ。ゆっくり話して収まる量」

スライドに書いていない事実や数字は足さず、足りない情報は「要確認」と書いてください。
文末は話し言葉にして、読み上げて不自然な箇所があれば指摘してください。

原稿ができたら、必ず声に出して読みます。書き言葉のまま作った原稿は、読んでみると息が続かない箇所や、言いにくい言い回しが見つかります。そこを自分の言葉に直すと、発表者自身が内容を理解して話している状態に近づきます。

持ち時間に収まらないときは、原稿を速く読むのではなく、スライドを減らすのが基本です。図で伝えたい箇所については、AIで図解を作るときの現実的な進め方も参考になります。

文言とメッセージが固まったら、体裁の仕上げにテンプレート型のツールを使います。MiriCanvasのように無料で登録できるものなら、手元のスライドで試してから判断できます。

MiriCanvasという選択肢と、使う前のアカウント設定

MiriCanvasは、テンプレートを土台にプレゼン資料やデザインを作れるサービスです。無料で登録できるプランがあるため、まず触ってから判断できます。骨組みと原稿のたたき台ができたあと、体裁を整える段階で、こうしたテンプレート型のツールが役に立ちます。

どんなテンプレートがあるか、どこまで無料で使えるか、有料プランとの違いがどうなっているかは、変更されることがあります。必ず公式サイトで最新の内容を確認してください。

使いはじめる前に済ませておきたいのが、アカウントの安全面の設定です。デザインツールのアカウントには、作った資料が保存されます。仕事で使えば、社外に出していない企画や、顧客向けの提案内容がそこに溜まっていきます。

ここで役に立つのが二次認証です。二次認証とは、IDとパスワードだけでなく、もう一段階の確認を加えて本人かどうかを確かめる仕組みのことです。メールに届いた確認コードを入力する、といった形が一般的です。パスワードが漏れただけでは入られない状態にしておく意味は大きいです。

設定できる認証の方法や手順は、サービスによって異なります。登録の途中で案内が出たり、公式のヘルプに説明があったりしますので、最新の内容は公式のヘルプで確認してください。あとから設定しようと思うと、後回しになりがちです。登録のタイミングで済ませてしまうのが確実です。

会社の資料を扱う場合は、そもそも社内の規則でそのツールの利用が認められているかも先に確認してください。AIツール全般に言えることですが、入力した内容の扱いも一度確認しておくと安心です。この点はAIに入力した内容は学習に使われる?確認方法を知ろうでまとめています。

AIに任せる部分と、自分で決める部分

ここまでの内容を、任せる部分と自分で決める部分に分けて整理すると、次の表のようになります。

作業AIに任せやすい自分で決める
発表の目的と聞き手選択肢を出させる最終的に何を伝えるかの決定
話の順番骨組みのたたき台採用する順番、削るスライド
スライドの文言言い換え、短縮の案結論の言い切り方
体裁(配色・余白・文字サイズ)テンプレート適用、自動調整全体を見ての最終確認
話す原稿話し言葉のたたき台声に出して直す、自分の言葉にする
数字・固有名詞・出典書式の整理元データとの突き合わせ
画像・イラストの使用候補の提案使ってよいかの確認

右の列は、責任を取るのが発表者である以上、人に残る部分です。以下、とくに大事な3つを説明します。

数字と固有名詞
売上、日付、社名、担当者名。AIは文章として自然な形を作るのが得意なので、もっともらしい間違いが混じります。資料に載せる数字は、必ず元データと突き合わせてください。この性質についてはAIはなぜもっともらしい嘘をつくのかで説明しています。

相手に合わせた調整
同じ提案でも、現場の担当者と決裁者では刺さる話が違います。誰に見せるかによる調整は、相手を知っている人にしかできません。

言い切るかどうかの判断
「効果があります」と書くか「効果が期待できます」と書くか。この差は、後で責任の所在に関わります。ここは人が決めるべきです。

発表前の確認|数字・出典・画像の権利

資料が仕上がったら、発表の前に確認の時間を取ります。確認する項目は、次の3つに絞れます。

1. 数字
資料に出てくる数字を、すべて書き出します。それぞれについて、元になった資料(社内の集計表、論文、公式の発表など)を開き、数字・単位・期間が一致しているかを見ます。AIに文章を整えさせたあとは、とくに注意が必要です。言い換えの過程で、「約」「以上」「平均」のような言葉が抜けたり、単位が変わったりすることがあります。元データが見つからない数字は、資料から外すか、「社内の感覚では」のように、根拠の弱さが伝わる書き方に変えます。

2. 出典
他人の調査や文章を引用している箇所には、出典を載せます。AIが「〜という調査があります」と書いた場合、その調査が実在するかを自分で確認してください。実在を確かめられないものは載せません。発表の場で「その出典は?」と聞かれたとき、答えられないのは発表者です。

3. 画像・イラストの権利
スライドに入れる画像は、使ってよいものかを確認します。自分で撮った写真、社内で用意された素材、使用条件が明示されたツール内の素材などは、条件の範囲で使えます。一方、検索で見つけた画像を、出どころを確かめずに貼るのは避けます。AIが生成した画像についても、使い方に条件がある場合があります。社外に出る資料や公開される発表では、とくに、ツールの利用規約を確認してください。

確認は発表の前日までに済ませ、最後に声に出して通して読み、持ち時間に収まることも確かめます。

確認で誤りが見つかったときは、その箇所だけを直して終わりにせず、同じ元データから作った他のスライドにも影響がないかを見ます。1つ数字が違っていれば、同じ元から転記した別の数字も疑う必要があります。

まとめ

資料作成にかかる時間のうち、体裁を整える部分は短くできます。空いた時間を「何を伝えるか」と「発表前の確認」に回せるかどうかが、実際の差になります。まずは次の発表で、聞き手と持ち時間を書いた依頼文から始めてみてください。

参考リンク