Notion AIの使い方入門|メモ・議事録・タスク整理を効率化
Notion AIは、ノート・タスク管理・プロジェクト追跡をひとつにまとめた「Notion」に組み込まれたAI機能です。メモを議事録に整えたり、雑多なタスクリストを優先順位つきの計画に変えたりと、情報を「整理する」作業を肩代わりしてくれます。ただし、使い方を知らないまま触ると「なんとなく便利」で終わってしまうツールでもあります。この記事では、実際に使える指示文と、Notion AIが得意なこと・苦手なことの線引きまで具体的に解説します。
基本操作と指示文の書き方
Notion AIを使うには、まずWorkspace側で「AI」機能が有効になっているか確認します。有効なら、ページやテキストブロックの上に「Ask AI」ボタンが出てきます。
操作の流れはいつも同じです。
- 整理したいテキストブロックを選択する
- 「Ask AI」を押す
- やってほしいことを日本語で書く
- 出てきた文章を確認し、必要なら直して確定する
プリセットには「Write」(文章生成)「Edit」(修正・改善)「Summarize」(要約)があり、たいていの作業はこの組み合わせで足ります。凝った指示を考える前に、まずこの3つを触ってみるのが早道です。
指示文で結果がぶれる人の多くは、対象(何について頼むか)・やってほしいこと(具体的な作業)・出力形式(どんな形で欲しいか)の3つを省略しています。「まとめて」だけだと結果がぶれますが、この3点を順番に入れるだけで狙った形に近づきます。
たとえば、経費精算のために溜まった支出メモを整理する場面なら、こう書きます。
この支出メモ一覧を対象に、日付・費目・金額の3列の表に整理し、費目ごとの小計を末尾に追記してください。出力は表形式でお願いします。
最初から完璧な指示を書く必要はありません。出てきた結果を見て「もう少し短く」「日付は新しい順に」と直していくほうが現実的です。指示を一度で完成させようとせず、2〜3回のやり取りで詰めていくと考えておくと、思ったより早く狙った形にたどり着けます。
メモ取りから議事録へ
会議中は聞くことに集中したいので、メモはどうしても箇条書きの断片になりがちです。それを議事録の形に整えるのは、Notion AIが得意な作業です。
たとえば、週次の営業ミーティングのメモから、参加者ごとの発言をもとに次のアクションリストを作る場合は、次のように進めます。
- 「Meeting Notes」テンプレートを開くか、シンプルなページを作る
- 会議中は思いついた順に箇条書きでメモする(発言者名だけは省略しない)
- 終了後、メモ全体を選択して次の指示文を使う
このメモを参加者別に整理し、決定事項・保留事項・次回までのアクション項目(担当者名・期限つき)の3つに分けてまとめてください。アクション項目は担当者ごとに箇条書きでお願いします。
- 出てきた文章を確認し、聞き違いや固有名詞のミスを直す
これで議事録をゼロから書く作業がなくなり、確認と補足が中心の作業になります。会議が連続する日ほど負担の差が出てきます。
ただし、Notion AIは元のメモに書かれていないことは補えません。メモに担当者名を書き漏らしていれば、議事録の担当者欄も空欄になるか、AIの推測で埋まった不正確な名前になります。議事録を関係者に共有する前に、担当者名と期限の欄だけは必ず元のメモと突き合わせる、というひと手間を挟むと、誤った議事録がそのまま独り歩きするのを防げます。
なお、Notion AIはあくまで「テキストを整形するAI」で、録音そのものを自動で書き起こす機能ではありません。話した内容をまるごと文字にしたい場合は、文字起こしに特化したツールと組み合わせたほうが向いています。
議事録作成についてはAI議事録・メモ術で会議を効率化でも別のやり方を紹介しています。
タスク管理・テンプレート下書きでの使い方
Notionのデータベースやテンプレートと組み合わせると、AIの使いどころはさらに広がります。
タスクが雑多に溜まったバックログを整理する場面では、次のように依頼します。
- 漠然とした「やることリスト」を入力し、「緊急度と重要度で並べ替えて、それぞれに目安の所要時間をつけて」と依頼する
- 長くなったプロジェクトの説明文を、「新しく入ったメンバーがすぐに全体像をつかめる長さに要約して」と縮める
- タスクの「詳細」欄に、「このタスクの開始日と締切の目安を提案して」と入力する
これらはどれも、Notion AIが情報を並べ替える・縮める・埋めるところまでを代行しているだけで、優先順位の最終判断は人間が下している点は変わりません。AIが出した順番をそのまま採用せず、一度は自分の目で妥当性を確認する習慣をつけておくと安心です。
テンプレートと組み合わせた下書き作成にも使えます。月間レビューのテンプレートなら、過去のページを参照させて次のように指示します。
このページと先月分のレビューページを対象に、今月の成果を3つ挙げ、来月の目標を2つ提案してください。出力は見出しつきの箇条書きでお願いします。
日報テンプレートなら「今日の内容を簡潔に要約し、明日への引き継ぎ事項を抽出して」といった指示で足ります。いずれもNotion AI側で作れるのは「たたき台」までです。もっと本格的な長文の企画書や記事を一から書きたい場合は、文章生成に特化したツールを別に用意したほうが早いこともあります。
できること・向く場面・注意点の線引き
Notion AIが得意なのは、すでにNotion内にあるテキストを整形・要約・言い換えする作業です。逆に、そもそもできないこともあります。
できること
- 箇条書きメモを議事録や報告書の形に整える
- 長い文章を短く要約する、逆に短い文を膨らませる
- タスクの並べ替えや所要時間見積もりのたたき台を作る
苦手・できないこと
- ページ外の最新情報をリアルタイムで調べる(調査・ファクトチェック用途には不向き)
- 数字や固有名詞の正確性を保証する(生成後は必ず人間の確認が必要)
- 音声・画像から直接情報を読み取る(対象はテキスト化された後のNotion内データ)
- 法務・会計など専門判断が必要な最終決定を代行する
場面ごとにNotion AI単体で足りるか、他のツールと組み合わせたほうがよいかを整理すると、次のようになります。
| 場面 | Notion AI単体で足りるか | 補足 |
|---|---|---|
| 会議メモの整理・議事録化 | 足りる(メモがある前提) | 録音からの文字起こし自体は別ツールが必要 |
| タスクの並べ替え・下書き作成 | 足りる | ゼロからの独自性の高い企画立案は不向き |
| 数字・固有名詞を含む最終資料 | 下書きまで | 事実確認は人間か調査系のツールで行う |
| 機密情報を含むページの扱い | AI機能とは別問題 | 共有権限の管理を別途行う |
つまりNotion AIは「情報を整える人」であって「判断する人」の代わりにはなりません。この線引きを意識しておくと、過信して痛い目を見ることを避けられます。
使うときに崩れやすいのは、生成結果をそのまま確定して次の人に渡してしまう場面です。特に数字や固有名詞、担当者名を含む出力は、次のようなチェックを生成のたびに習慣にしておくと、間違いに気づいた時点で戻しやすくなります。
- 生成された文章は「提案」として扱い、必ず人間が確認してから確定する
- 数字や固有名詞は、元のメモや資料と1行ずつ突き合わせる
- 給与やクライアント名など機密性の高い情報を入力するページは、共有権限を厳しく設定しておく
- 間違いに気づいたら、出力を手直しするより、元のメモを直してから再生成したほうが早いことが多い
- Notion AIの利用には有料プランが必要になる場合があります。プラン内容や条件は変わることがあるため、最新情報は公式サイトで確認してください
まとめ
Notion AIは、メモ・議事録・タスク管理といった「情報を整える」作業を肩代わりしてくれるツールです。指示文は「対象・やってほしいこと・出力形式」の3点を意識するだけで、精度が大きく変わります。
まず試すなら、直近の会議メモか、たまっている「やることリスト」のどちらか一つを選び、この記事の指示文をそのままコピーして使ってみてください。一度動かしてみれば、自分の業務のどこに組み込めそうか感覚がつかめるはずです。
Notion AIとあわせて情報整理をさらに深掘りしたい場合は、Notta Brainとは?情報整理から資料作成までも参考にしてください。